私はインドネシアのバリ島が大好きです。


年に一度は必ず訪れるほどのリピーターです。


バリ島には不思議な魅力がいっぱいあって、他の国にはないようなお祭りごとがたくさんあったりします。


今日はそんな「バリ島で年に一度行われる特別なお祭り」について書いていきます。



バリ島にはサカ暦というバリのヒンドゥー教独自の暦があります。


そんなサカ暦での新年、つまり日本でいうお正月にあたる日が「ニュピ」と呼ばれるお祭りが行われる日なんです。


別名「静寂の日」とも呼ばれているこのニュピの日。


バリ島のひとたちは、一体どんな事をするのか?


実は・・・


『なんにもしない』


のです(笑)



実はこの「なんにもしない」という事がすごくって、本当になにもしてはいけない日なのです。


一例を挙げると・・・


・ニュピの日は、飛行機も飛ばない(空港もクローズ)


・ニュピの日はどこのお店も営業停止


・ニュピの日はテレビやラジオもやってない


・ニュピの日は基本、火を使ってはいけない


・ニュピの日は、電気をつけてはならない(近年では、電気はつけても良いけど、外に灯りが漏れないように黒いゴミ袋等を窓に貼るように指示されます)



そして、いちばんすごいのが、


『ニュピの日は、自分の敷地の外を出歩いてはならない』!


これ、すごくありませんか?


「え、それじゃ、たまたまその日にバリ島を訪れている外国人とかはどうなるの?」


という声が聞こえてきそうですが、その時にバリ島内にいる全ての人が対象となるため、もちろん旅行客等もこれに従わねばなりません。


泊まっているホテルなりヴィラなりの敷地から出てはいけないことになっています。


外は警官がウロウロしているため、敷地外に出ているところを逮捕される海外旅行客が毎年いるそうです。


お正月だからなにもせずにボーッとするだけ、というのとは違って、本当に国一丸となって徹底してやっているのが、ニュピのお祭りなのです。


いつがニュピの日なのかというと、だいたい毎年3月〜4月の新月の日に行われています(サカ暦によって決まっています)。


新月の日といえば、そう!月の灯りがないため、電気の灯りのついていないバリ島の空は、真っ暗です。


私も二度このニュピを体験したのですが、本当に静かで、とにかく星が綺麗で、感動しました。


ニュピとされる日の朝6時から翌日の朝6時まで、とにかくなにもしない。


私の場合、昼間は泊まっていたヴィラのプールにほけーっと浸かり、前日に買い込んでおいたインスタントラーメン等を食べ、


夜は敷地内から星を眺めていました。


とても心が癒される一日でした。


人によっては、せっかくバリ島を訪れたのに何処にも行けないし何もすることがない!ということもあるかと思いますが、


癒されたい・のんびりしたい・日常の喧騒から少し離れたい・・・等という人にはもってこいのイベントだと思います。


そして、実はニュピにはもう一つ楽しみがあります。


それが「オゴオゴ」というお祭りです。


オゴオゴは、ニュピの前日に行われるお祭りで、各村で作った悪魔のような見た目のハリボテの人形がお神輿のように担がれていくもの。


悪霊がこの人形に乗り移るとされていて、オゴオゴの最後はこの人形が火で焼かれて終わります。


静寂のニュピとは正反対で、このオゴオゴのパレードの時は、本当に文字通り「お祭り騒ぎ」で、爆竹の音が鳴り響いたり、


あちこちがパレードのために通行止めになっていたり、とにかくすごい騒がしいです。


オゴオゴの喧騒を経て、静寂のニュピに移行する・・・このギャップがまた面白いです(笑)


日本でいう、初詣くらいの人だかりができて、本当にひとまみれ。


もし行かれる方は、同行者とはぐれないように気をつける必要があるくらいです。



世界でも、島全体が一丸となって静寂の日を祝い続けているところなんて、バリ島しかないのではないかと思います。


普通、飛行機とかまで飛ばない...とか、大変なことですからね。


そんな、昔からの伝統のお祭りが今でも根付いているバリ島が、大好きなのです(*´ω`*)





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